2007年04月10日

観念の軸。実利の軸。(奈良市)

01taikyokuden.jpg

 この巨大な建造物。平城宮跡で復元作業をしている大極殿正殿の覆屋です。
建都1300年を迎える2010年に完成予定とのこと。

 さて、それはそうと、大極殿正殿ということですので、ここから起点に平城宮の中軸線が南へ向けてズドーンと伸びていたわけです。

 ただ、現在は単なる空地なのですが。

02sujaku-mon.jpg

 ここから180度回転してみます。この門は近年復元された朱雀門です。

 大極殿正殿と朱雀門の2点があることで、この両者を結ぶ南北軸が空地の上に浮上してきます。都城中心軸とは、基本的に現代都市の実用的道路とは違い、むしろ象徴的、観念的な代物です。

 現在、空地であるがゆえに、逆に、その観念性の高さが迫ってくるように感じます。

 さて、朱雀門の写真、もう一度よく見てみましょう。右下に電車が走ってまるのが見えます。そう、この両者を結ぶ中心軸に、近鉄電車奈良線のラインが斜めに割り込んでいるのです(しかも踏み切りはなし)。

02sujaku-mon.jpg

 ですので、朱雀門から、大極殿正殿へ向けて視界はズドーンと通るのですが、この軸線を真直ぐに進むのは無理なのです。線路にぶつかっちゃいますので。

 しかも平城宮中心軸の正確な南北という観念的純度の高い方位設定とは違い、近鉄の斜め方向は「西大寺と奈良を最短で結んだら、そんな角度やったんで」という実利的合理的100パーセントな方位です。

 その対比がよくも悪くも不思議な風景を生み出しています。8世紀初頭と20世紀後半に設定された線の重なり。今後復元作業でどのような風景としてまとめるのかは無知と不勉強なゆえにわからないのですが、いまあるこの不思議な風景を僕は記憶しておこうと思ってます。

 
posted by 遷都1297年記念事業協会 at 18:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 平城京の風景 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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