2007年04月11日

いろんな見立て重層。(奈良市)

sujin.jpg

黒々とこんもりとした森が見えます。これは巨大な前方後円墳(崇仁天皇陵)の後円部(丸いドーム状の部分)です。かなり存在感ありますが、古墳を見る機会がある人ならば、そう珍しい光景ではないかと思います。

yamanobe.jpg

 では、この写真はどうでしょう。単なる田舎の山裾の風景に見えますが、、、。

 龍が波打っているような山の稜線と、手前の起伏がシンクロした不思議な一体感があります。そして柿の木が林立している背後には墓石が見えます。

 この墓石がある起伏、実は前方後円墳の前方部(四角い壇部分)なのです。

 神様がいる山々の風景を、圧縮したようなかたちの古墳。要するに山の中の山、山風景の入れ子です。

 そして古代から葬送地として選地されてきた山麓風景を、その入れ子的山(=古墳)の起伏にも見い出して、そこを墓地としたわけです。ここにも見立てがはたらいてます。

 もちろん普通に山麓にある墓地もあるわけですから、「山麓の墓地」がやっぱり入れ子状に展開しているわけです。「本当の山麓の墓地」の中に「山麓に見立てた古墳上の墓地」があるといったように。

 また、このような見立てとは違うのですが、古墳の段々になった地形。これは古墳と知らなければ、とても便利な、はなから造成された段々畑用地と言えます。なので、古墳上を普通にみかん畑として利用してたりしてます。

 山に神様がいるという世界観の中での見立てと、地形的資材性による活用。こんないろんな主体のいろんな見立てや、いろんな土地利用の仕方が重なって、いわくいいがたい風景を生み出しています。

 僕達がぼんやり見ている風景の背後にも、普段考えている文脈を超えた世界の風景が展開されているのでは?などと考えてしまいます。

 今「これがすべて」だと思っている世界は、見立てが重層した表面上のほんの一部かもしれませんから。

 

 
posted by 遷都1297年記念事業協会 at 08:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 平城京の風景 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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