
平城京全図です。この宮都の西南部、黒く塗り潰した一画に国家の交易の場、「西市」があったようです。この「西市」、現在はというと、、

マンションが林立しています。面影ゼロです。しかしながら、この一画に「西市」があったことを示す石碑等があります。

うん。石碑です。ではなぜ、石碑「等」なのでしょう?

実はここ、石碑だけではなく、ごちゃごちゃといろんなものが集まってある種のコンプレックスを形成しているのです。手前には真っ白な狛犬のようなものが見えます。

解説によると彼の名前は「長安」というようです。「友好のため長安(現在の西安市)からやってきた」そうです。なんて安直なネーミング!!しかもそんな友好の使者を緑のフェンスで囲い込んじゃってます。

もちろん「西市」の解説もあります。

この「西市」跡では、銭の元祖とも言える「木簡」交易銭も発掘されたようで、そのことを高らかにうたっています。
解説文は万葉集所収の
「あおによし ならのみやこはさくはなの におうがごとく いまさかりなり」の歌で始まり、「木簡」を賛辞したあと、この解説をしたためた平城京西市跡保存委員会会長の歌でしめくくられています。

すごい歌です。万葉集の5-7-5-7-7という和歌のリズムをバロック化したような7-7-5-4というユニークに過ぎるリズムです。しかも冒頭の万葉集和歌はさして、解説文内容にからまないことから察するに、この最後の歌を詠みたいがための単なる前フリだったのね、、嗚呼。
さて、それはそうと、ここは国家の一大交易場跡なのです。当然ものの売買も行われています。

っていう教育委員会が出版した本を1500円也で売っちゃってます。
そして、、

あの高らかに歌い上げた木簡の模型(!)も販売しちゃってます。
特価300円です(ちょっと欲しい)。
国歌の交易場跡での、なんともとっても奈良っぽいビジネス。う〜ん。奈良。